この記事ではマイイーサウォレット(MyEtherWallet)の使い方を記載していきます。
マイイーサウォレット(MyEtherWallet)とは?
- WEBブラウザで使えるので環境を選ばないがスマホでは使わない方が無難
- 少ない手数料で管理できる分、自己責任の管理が大切。パスワード再発行は不可能。Keystore/JSONファイルと秘密鍵,パスワードは無くさないように保管しておくこと。
- 一ヶ月以上保管するときや何十万もの大金を入れる時には、資産を安全に保管するために一番安全性の高いハードウェアウォレットを使う。
誰でも無料で使えるイーサリアムを保管するためのWEBブラウザウォレットです。
MyEtherWalletの頭文字を省略して「MEW」とも呼ばれます。
WEBブラウザを利用しているため、WindowsやMacといったOSの違いに影響されることなく同じ使い方で利用ができます。
「イーサリアムを保管するだけなら取引所のイーサリアムアドレスで良いじゃん?」ということもありますが、
最新のICOやAirdropで利用されるERC20トークンは取引所で対応していないことが多く、コイン専用のウォレットを開発者が用意するまではマイイーサウォレットを使うことになります。
マイイーサウォレットを使うときの注意点
マイイーサウォレットを使う時にスライドが表示されます。
この時に注意喚起が表示されます。
マイイーサ側では「秘密鍵、パスワードや口座情報の送信や保管」をしないので秘密鍵とパスワードを大事に保管してください。
秘密鍵は、ニーモニックフレーズ、キーストアファイル、UTCファイル、JSONファイル、お財布(ワレット)ファイルとも呼ばれることがあります。
もし秘密鍵やパスワードを忘れると、誰も回復させることができません。
もし、あなたが秘密鍵を詐欺サイトで入力すると、全ての資産が盗まれてしまいます。
取引所のように「パスワードを忘れたから再発行して!」ということマイイーサウォレットはできません。
パスワードをわすれてしまうと二度と復元ができません!
パスワードはパスワード管理ツールで保管するだけでなく、紙に書いておいて金庫に保管しておいたりと「必ず複数のバックアップ」をしておきます。
また秘密鍵の変更は出来ません。
秘密鍵の変更したいときにはマイイーサウォレット自体の作り直しになります。
マイイーサウォレットにつないだら必ずURLを確認
マイイーサウォレットに限った事ではありませんが、仮想通貨のサイトはフィッシング用のサイトが沢山作られていて、
フィッシングサイトでパスワードを入力してしまうと、入れておいた仮想通貨が盗まれてしまう恐れがあります。
『公式の正しいサイトにつないでいる事』を最初に目視しましょう。
URL: https://www.myetherwallet.com/
マイイーサのようなサイトの場合には、アドレスバーに「緑色のSSL証明書情報で『MyEtherWallet Inc』のように企業名が表示されます。
SSL証明書情報の有無を確認することで、今開いているのが「公式サイトを開いているのか、フィッシングサイトを開いているのか」の確認ができます。
マイイーサウォレットはブックマークから開く。
アドレスバーの「緑色のSSL証明書情報『MyEtherWallet Inc』」を確認したら
ブラウザのブックマーク機能でマイイーサウォレットを登録します。
次回から必ずブックマークから開くようにすればフィッシング詐欺に合う被害を減らせます。
作成するだけなら簡単。マイイーサウォレットのお財布の作成方法
それではマイイーサウォレットのアドレスを作成していきましょう。
URL: https://www.myetherwallet.com/からマイイーサウォレットを開きます。
日本語に切り替える
初回につないだ時には英語表記になっているので
メニューにある「Englishのボタン」を選択し「日本語」に切り替えます。
最初に警告文が表示されます。長いスライドですが最後まで読みます。
このスライドは最後まで読まないと何度も表示されます。
大事な点は「セキュリティ管理は自己責任になるので、しっかりとセキュリティ観念をもってね!」ということ。
イーサリアムアドレスを作る
メニューの「お財布の作成」を選択します。
マイイーサウォレットで使う「パスワード」を入力します。
パスワードは9文字以上で強力なものを使用します。
パスワードを簡単に作るには?
パスワード考えるは面倒くさいという場合にはパスワード作成ツールがありますので、それを使います。
パスワード生成(パスワード作成)を使うと、最大40文字のパスワードが簡単につくれます。
『強度:最強、文字数:40』にして「生成」を押すと簡単にパスワードがつくれます。
Macを使っているユーザーならMacに最初から入っている「キーチェーンアクセス」のアプリケーションを使うと便利。
キーチェーンを作成する「+」のボタンを押してから「鍵マーク」を押すとパスワードを提案してくれるウィンドウが表示されます。
パスワードを入力したら「お財布の作成」のボタンを押します。「目のボタン」を押すと入力したパスワードが確認できます。
『Keystore/JSON あるいは秘密鍵を保存してください』の画面が表示されたら「ダウンロードKeystore」のボタンを押しダウンロードします。
「理解できました。続けます。」のボタンを押して次へ進みます。
続いて「秘密鍵」が表示されます。
灰色の枠内にある「秘密鍵」をパスワード管理ツールに保存しておきます。
「お財布情報を印刷」のボタンを押して、紙に印刷しておきます。
「アドレスを保存してください」のボタンを押して次へ進みます。
Unlock your wallet to see your addressの画面に移ります。
先程ダウンロードした「KeyStore」を使います。
「Keystore / JSON File 」のボタンを押すと「お財布ファイルの選択」が表示されます。
「お財布ファイルを選択」のボタンを押してダウンロードした「KeyStore」を選択します。
「KeyStore」を選択するとパスワードの入力欄が表示されます。
お財布の作成で入力した「パスワード」を入力。
出てきた「アンロック」のボタンを押します。
マイイーサウォレットがアンロックされ、お財布の中身を見ることができます。
「自分のアドレス」に表示されている「0x〜」から始まる文字列が「あなたのマイイーサウォレットのイーサリアムアドレス」になります。
イーサリアムアドレスを入力する機会になったら「自分のアドレス」に表示されている文字列を入力すればOKです。
マイイーサウォレットの見方
「自分のアドレス」
マイイーサウォレットのイーサリアムアドレス。
Keystore ファイル (UTC / JSON · 推奨 · 暗号化)
「Keystore ファイル (UTC / JSON · 推奨 · 暗号化)」では、
マイイーサウォレットを開ける時に使ったKeystoreファイルをダウンロードしたいときに押すと、もう一度同じファイルがダウンロードできます。
秘密鍵(未暗号化)
『秘密鍵(未暗号化)』の欄は「目のボタン」を押すとお財布を作る時に出てきた「秘密鍵」の確認ができます。
(未暗号化)と書かれていますので暗号化されていません。
暗号化されたものは「Keystore ファイル」なので、ウォレットをあけるときは極力、未暗号化の秘密鍵を使わないようにします。
お財布紙情報を印刷
「お財布紙情報を印刷」を押すとイーサリアムウォレットの情報が印刷できます。
2つあるQRコードは、スマホのQRコードリーダーで読み込ませると「自分のイーサリアムアドレス」と「秘密鍵」の文字列が読み取れます。
アカウントアドレス
マイイーサウォレットのイーサリアムアドレス。
「自分のアドレス」に表示されるものと同じです。
アカウント残高
ETH単位でマイイーサウォレットに入れている残高が表示されます。
トランザクション履歴
・ETH (https://etherscan.io)
イーサリアムを送金・出金した履歴を見ることができます。
・Tokens (Ethplorer.io)
ERC-20トークンの送金・出金した履歴を見ることができます。
トークン残高
ERC-20トークンの残高を見ることができます。
トークンの種類は膨大なので、「Show All Tokens」を使うと全部表示ができます。
カスタムトークンを追加
マイイーサウォレットでは、「Show All Tokens」をしても登録されていないトークンを自分で追加して保存することができます。
カスタムトークンの追加方法はMyEtherWalletでカスタムトークンを追加する方法で詳しく解説しています。 MyEtherWalletでカスタムトークンを追加する方法
MyEtherWalletでカスタムトークンを追加する方法
入金する
イーサリアムをマイイーサウォレットへ入金する
日本の仮想通貨取引所でイーサリアムを購入して、マイイーサウォレットのアドレスへ送金します。
入金先のイーサリアムアドレスは、「自分のアドレス」に表示されている文字列です。
□Zaif(ザイフ)
=> ビットコイン・イーサリアムを買うなら使いやすい仮想通貨取引所。イーサリアムの積立もできる Zaif公式 https://zaif.jp
□GMOコイン
=> 即時入金サービスで入金手数料が無料 手数料0%で最安! GMOコイン公式 https://coin.z.com/jp/
□BITPOINT
現在、「新規口座開設をして初回入金(金額指定なし)をしたユーザーが対象にビットコイン3,000円相当分」が受け取れるキャンペーンを実施中
BITPOINT公式 https://www.bitpoint.co.jp/
ここではイーサリアムの購入によく使われるZaif(ザイフ)を例にします。
イーサリアムを購入したらメニューの「アカウント」を押します。
「入出金と履歴」を選び、イーサリアムのマークを選択します。横並びのメニューの「出金」を押します。
Zaifでは『出金先アドレス』を登録しないと出金手続きができません。
「出金先アドレスの管理へ」のボタンを押します。
マイイーサウォレットの出金先アドレスを登録します。
項目を入力したら「新規登録」を押します。
□ラベル: マイイーサウォレットなど自分で判別できる名前を入力
□出金アドレス:マイイーサウォレットのイーサリアムアドレスを入力
イーサリアムの出金画面に戻ります。
「出金アドレス」で先程つけたマイイーサウォレットアドレスのラベルを選びます。
「出金金額」と認証パスを入力して『出金』を押します。
トランザクションが終わるとマイイーサウォレットへイーサリアムが送られます。
出金する
マイイーサウォレットからイーサリアムを出金するときには手数料(ガス)が必要になるので
出金する時にはマイイーサウォレットへ最低0.01Ether入れておきます。
ガスの単位は「wei」です。
ガスは車を動かすGasと同じ意味です。ウォレットを動かすにも燃料(手数料)がいるわけですね。
燃料(手数料)が多いほど送金処理が早くなります。
手数料が高くてもいいから急いで入出金したいときにはGASの数量をあげて、
時間がかかってても手数料を安くすませたいときにはGASの数値を下げます
GASは右上にある言語スイッチの右側のボタンから調整できます。
マイイーサウォレットからイーサリアムを出金する
マイイーサウォレットから、取引所のアドレスや他のイーサリアムウォレットへ仮想通貨を送ることができます。
メニューの「Ether/トークンの送出」を選択します。
お財布の操作方法はイーサリアムウォレットを開けるときと同じです。
「Ether/トークンの送出」の画面が表示されます。
宛先アドレス
送金先のイーサリアムアドレスを入力します。
送出数量
イーサリアムの数量を指定します。
イーサリアムを送るときには必ず「ETH」になっていることを確認します。
ガスリミット
ガス(Gas)はイーサリアムを送金処理するときの手数料のことで、
ガスリミットではガスを支払う上限額を設定します。
マイイーサウォレットの場合にはガスウォレットが自動で設定されますので、
表示されているガスリミットの数値をそのまま使っても大丈夫です。
イーサリアムの送金に失敗するときには「ガスリミット」の手動で数値を上げます。
いくらガスが必要になるのか?はその時のイーサリアムの相場やネットワーク状態によって変わります。
宛先アドレス,送出数量、ETHを確認したら「トランザクションを生成」のボタンを押します。
未加工トランザクション、署名済みトランザクションが表示されます。
イーサリアムの出金トランザクションを確認したいときにはここのトランザクションを追いかけていくことになります。
(後でトランザクション履歴から送金ステータスを確認できます。)
「トランザクションの送出」のボタンを押して確認画面を表示させます。
イーサリアムを出金するときの最後の画面です。
「はい、確かです。処理を実行します」を押すと処理が実行されます。
マイイーサウォレットからトークンを出金する
今のところ、マイイーサウォレットからトークンを出金するときの多くは
「ICOで貰ったトークンを上場先の取引所へ送金」する場合がほとんどでしょう。
トークンを出金するときには最初に「カスタムトークンを追加』します。
次に「Ether/トークンの送出」の画面を表示させます。
マイイーサウォレットからイーサリアムを出金する時とほとんど手順同じですが、
「送出数量」の欄で「送金したいトークンの単位」を選択することを忘れずに。
AirDropでマイイーサウォレットを使う
AirDropでマイイーサウォレットを使うときには
『AirDrop専用のマイイーサウォレット』を用意しましょう。
色々なところにイーサリアムアドレスを露出することになるので
一番大事なお財布とは別にしておき、ハッキングなどのリスクを避けるためです。
AirDropでもらったトークンが消えているのはなぜ?
AirDropのトークンはマイイーサウォレットのリストにないものが多いので、
トークン消えたように見えます。
実際にトークンをもらえたかのチェックは、AirDropのトークンはマイイーサウォレットを開いた時の
「トランザクション履歴にある『Tokens (Ethplorer.io)』 から見ることができます。
Token Balancesの欄に$で表記できる値段がついていれば金額が表示され、
トークンの数量が表示されます。
Transfersに何処のアドレスから送られたのか記録されていきます。
マイイーサウォレットの一覧画面にある「トークン残高」に表示させるには、
『カスタムトークンを追加』することでマイイーサウォレットで金額表示ができます。
AirDropでもらった仮想通貨をマイイーサから出金する方法
AirDropで貰った仮想通貨(トークン)をマイイーサウォレットか出金するときはイーサリアムの出金方法とやり方は同じです。
ただ,カスタムトークンの追加をしておかないと、送金時に通貨選択ができませんので、
最初にカスタムトークンの追加を行ってから出金処理をします。
マイイーサーウォレットを危険から守ろう
マイイーサウォレットは何度からハッキング事件が起こっています。
MyEtherWalletハッキング事件と今後の対策
そのためマイイーサウォレットを使う時にはセキュリティ観念をしっかりと心がけましょう。
- マイイーサウォレットを使うときはオフライン利用
- KeyStoreを使用する。秘密鍵を使わない
- 一ヶ月以上保管するときには一番安全性の高いハードウェアウォレットを使う。
マイイーサウォレットからイーサリアムが盗まれてしまいました。の記事で
マイイーサウォレットのオフライン使用の方法を解説しています。
-
マイイーサウォレットからイーサリアムが盗まれてしまいました。
マイイーサウォレットからイーサリアムが盗まれてしまいました。
ハードウェアウォレットを使う時の注意点
「新しくハードウェアウォレット買ったから、今使っているマイイーサウォレットアドレス連携させよう!」という使い方はできません。
これは既存のマイイーサウォレットの秘密鍵とハードウェアウォレットの秘密鍵が違うためです。
ハードウェアウォレットは仮想通貨が入っているのではなく、暗号化された秘密鍵が入っています。
マイイーサウォレットの作成時にダウンロードしたKeystoreを、更に厳重に暗号化して持ち運びできるものだと思って下さい。
新規でハードウェアウォレットをつなげて、マイイーサウォレットアドレスを作る時は、ハードウェアウォレットのカギを使ってアドレスを作成します。
ハードウェアウォレット自体がKeystore、秘密鍵を入力する手順はありません。
既存のマイイーサウォレットからハードウェアウォレットへお金を移動させたいときには
手数料がかかりますが、ハードウェアウォレットで作ったアドレスへ送金しないといけません。
ハードウェアウォレットが最も安全な理由
ハードウェアウォレットは、パソコンとUSBケーブルで接続して使用します。
ケーブルを繋がない限り、電源が入りません。
電源を入れた後にPINコードを入力しないと、操作が不可能です。
もしもハードウェアウォレットを盗まれてしまってもPINコードがわからないと操作ができません。
PINコードを忘れてしまった時のために「リカバリーモード」という機能がついています。
これはハードウェアウォレットの初期設定時に行う24個のリカバリーフレーズを入力できないと、PINコードの再設定ができないようになっています。
ハードウェアウォレットの秘密鍵が盗まれていない限り、ハードウェアウォレットを使って仮想通貨を盗まれることがありません。
ハードウェアウォレットの秘密鍵が盗まれてしまう状況は、中古で初期設定の済んでいるハードウェアウォレットを買ってしまったときに起こりますので、
Amazonやヤフオクなどで買わずに正規代理店から、必ず新品を購入します。
ハードウェアウォレットは「Ledger Nano S」 がおすすめです。
別のセキュリティ対策:マイイーサウォレットとメタマスクを連携させよう
マイイーサウォレットとメタマスクを連携させて使うことで、マイイーサウォレットと単体で使用するよりセキュリティが高くなります。
Android,iPhoneのスマホでマイイーサウォレットは使えるのか?
現在、スマホでの使用はおすすめできません。
まず専用アプリが用意されていない点。
もう一つはAndroid,iPhoneへKeystoreや秘密鍵の保存をするとファイルが意図せずiCloudやDropboxに保管されていて流出の危険があるから。
スマホの場合、保存したファイルがどのフォルダにしまわれているのかユーザーがわかりにくいです。
スマホの使い方を熟知していないとオフライン状態でマイイーサウォレットへつなげないのでセキュリティ面で不安が残ります。
マイイーサウォレットを使うときはAndroid,iPhoneを使わず、Windows,Macなどのパソコンを利用した方が良いです。
マイイーサウォレットで両替
マイイーサウォレットには両替機能が付いています。
イーサリアムをビットコイン(BTC)・オーガー(REP)へ両替ができます。
しかし変換レートがよくないので取引所を使った方が損しなくて済みます。
□2018/05/10の価格比較例
交換先 | レート |
---|---|
マイイーサ | 1ETH = 0.078652 BTC |
Binance | 1ETH =0.081214 BTC |
KuCoin | 1ETH =0.08134998 BTC |
OKEX | 1ETH = 0.0813400 1BTC |
マイイーサウォレットのオフライン送出
オフライン状態で「トランザクション」を作成してから、
送金処理を行います。
トランザクションを送出実行するときだけ
オンラインになります。
セキュリティ面で普通の使い方よりは強くなりますが、手順が面倒になります。
マイイーサウォレットの契約,ENS(Ethereum Name Server),ドメイン販売
マイイーサウォレットの「契約」「ENS」「ドメイン販売」はお財布としてだけ使う時には使用しません。
マイイーサウォレット処理状況を確認
イーサリアムやイーサリアムトークンの送金処理が全然終わらない・進まないときには
トランザクションの処理状況を「処理状況を確認」見ることができます。
マイイーサウォレットに今いくら入っているか見たい「お財布情報の確認」
お財布情報の確認のメニューからマイイーサウォレットを開いて
中身を確認することができます。